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2011-11-25

「フランダースの犬」全話見た

08:25 | 「フランダースの犬」全話見た - eigokunの手記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「フランダースの犬」全話見た - eigokunの手記

スカパーのキッズステーションでやってたので見た。

見る前は、なんとなく退屈そうな内容なんだろうなーと思ってたんだけど、実際は全然退屈じゃなかった。といっても毎回、何かしらの派手な出来事が起きる訳ではなく、日常的なショボい出来事が起きて、よかったねー、嫌だったねー。っていう感じの話なのだが。

いやー面白かったね。こんなに面白いとは思わなかった。なんか面白いね。ネロが毎朝、牛乳を運びに行く感じ。このショボい日常感こそが心地良い。

で、思ったこと。この作品では、いい奴ばかり出てくる。みんないい奴だ。特にネロとアロアに関しては、聖人君主といってもいいだろう。これは子供だからこその無垢さの成す業かもしれないが。で、そんないい奴ばかり出てくる中で、ムカつくのがハンスとコゼツ(アロアの父親)だ。コゼツは、まあいい。大事な一人娘であるアロアがネロと仲良くするのをよく思わない気持ちは分かる。女の子の父親とはそういうものだ。そして当時の時代感覚では、絵なんか描いてるネロが怠け者だとして白い目で見る考えも理解できる。なのでコゼツに関しては、仕方ない。

だがハンスは本当に駄目な奴だ。この作品で唯一の絶対悪と言っていいだろう。そしてその絶対悪であるハンスがいるからこそ、この作品は成り立つのだ。何かしら、ハンスが事件を起こす。そのせいでネロに不幸が舞い降りる。そして物語は進んでいき、視聴者である僕らはドキドキハラハラする。ハンスによって、ストーリーが回されているといって過言ではない。


この作品、よく「可哀想な不幸なネロの物語」という感じで語られると思う。実際、僕も見るまでは漠然とそんなストーリーなんだろうなと思っていた。しかし全話見てみると、意外とネロは楽しそうに暮らしているではないか。お爺さんもパトラッシュもアロアもいるし。ネロは子供なのに毎日働いていて大変だが、当時の子供ってそんなもんだろ。だから別に不幸でもなんでもないじゃんか。

だが、最終10話ぐらいがどんどん物語が佳境に入っていって、ネロはどんどん不幸になっていく。視聴者である僕は引き込まれる。それはよかった。 (あんまり書くとネタバレになるが、実際には生活が苦しくなってもミシェルのところに住めばいいのだからそんなに不幸ではない)

しかし最終二話が、ちょっとどうなのよと思った。これだけずっとちょっとずつストーリーを進めていって、つまり小出し感の美学みたいなのが作品に通底していたのだが、最終二話はストーリーが一気に進む。正直、萎えた。急すぎるというか、論理が飛躍しすぎ。この地味な話を最終回でなんとかうまく終わらせたいという制作側の意向があったのかもしれない。もしくは、原作小説がそういう内容だったのかもしれない。にしても、このストーリー展開はひどい。映画作品ならこの程度の急展開は許されるかもしれんが、52話の連続アニメでは許されることではない。

ある意味、エヴァンゲリオンの最終二話より問題だ。


あと、この作品を見るまでは、フランダースの犬について唯一知ってる情報は「ネロが絵の前で犬と一緒に死ぬ」ということだったのだが、僕は漠然と、「ネロがパトラッシュと一緒に凄く遠くまで絵を見に行ったんだけど寒かったし何も食ってなかったから絵を見た途端に死んだ」みたいな想像をしていた。が、実際に最終回を見てみたら、意外と近場だった。


ところで、ネロはテリーマンのように、アロアは山田まりやのような体型に育ってはしい。


(例によって、謎のHDリマスター。以前に見た未来少年コナンと同様、上下が切れてる16:9の映像に。)

http://todeskin.g.hatena.ne.jp/eigokun/20110909/1315524352


(追記)

書いてから気付いたが、僕がフランダースの犬の最終二話に感じた違和感は、機動戦士ガンダムの14話「時間よ、とまれ」に似ている。この話では、ジオンの兵士たちがガンダムに複数の爆弾を取り付ける。これはすごく現実的で好きな描写だ。実際、戦力のない者が強敵に対して爆弾ふぜいで非常に攻撃を与えられることは昨今のイラクやアフガンでのIED(即席爆発装置)でも言える。あとアムロが一人で爆弾を取り外させられるというのもいい。 (実際にはエースパイロットであるアムロにやらせるよりも、末端の整備士複数人にやらせろよというツッコミもあるが)

だが、ずっと現実主義的な描写を続けていたこの回も、最後はみんなで泣きながら「アムロー!」とか叫んで、ブライトまでもが「アムロや、ごめんよごめんよ」とか言いながらアムロに抱きついてくるのだ。このときのブライトが、フランダースの犬の最終回でのコゼツに似ている。悪者は最後まで悪者でいてください。

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